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切通理作
2014.9.15 23:43

実は大人は居なかった

幼児化した大人……個人のふるまいからそういう人を探すことももちろん出来ますが、昨日の小林さんのブログを読んで、最近ちょっと考えてることと結びつきました。

 

っていうのは、日本って、もうすでに格差社会だったんじゃないかなって。中国には、まったく働いてない層がいるって話聞きますけど、それは彼岸の話なのかっていう。

 

僕はいま五〇歳ですが、最近大学時代の先輩が亡くなってお葬式に行ったり、高校時代のクラス会に出たりすると、所謂「ひきこもり」という問題が、全然彼岸の問題じゃなかったことがわかるんです。

 

要は実家にある程度の資産があって、そこに帰ってあとは特に働いていない……という人、ざらにいるんですよね。

 

学生時代はけっこうリーダーシップをとっていたり、社会的な問題への発言をしていたりしてたその人たちへの僕の印象からすると、ちょっと考えられない感じがするんですが、その一方で「ああ、こういうことか」とも思うんです。

 

っていうのは、僕のような高度成長期に生まれた人間たちっていうのは、仮に外に出て働いたとしても、何かどうしてもそうしなければならないっていう切実性がないんですよね。

 

普通大人になることイコール経済の自立だと思うんですけど、逆に言えば、飢え死にするのって難しい。

 

超大金持ちの家系じゃなくても、中流以上なら親の代で家も建っちゃってるし、そこに給料が上乗せされてる感じだから、所謂やりがいや生き甲斐に結びつく何かに出会えないと、脱力しちゃう。

 

これ、けっこうショックだったんです。クラス会とか出たら、みんなしっかりした堅気になっていて、僕みたいなフリーの物書きは圧倒されるの図を予想してたら、実は現実の基盤って、もうとっくにそういうことになっていなかったんだなって。

 

否、もちろん、生活に根差してちゃんとやっている人もいっぱいいるとは思いますよ。「実は大人は居なかった」というのは、わざとおおげさに書きました。スミマセン。

 

いま脱力してる人も、若い頃は「無気力でつまらない人生は嫌だ」とそれなりに色々考えたりはしてたと思うんですけど、そういう志のままうまく自分の出来ることを波に乗せていくタイミングがなかったり、結婚して子どもが出来るタイミングもなかったりすると、普通に家に居たままになっちゃったりするんですよ。

 

だから以前、宇野常寛さんと話していて、宇野さんが持ち家は嫌で、一生賃貸が良いって言ってたの、すごく新鮮に感じたんです。

古市憲寿さんも、起業についての本を出されていますよね。

 

っていうか、二人とも起業家として成功している人です。

 

小林さんは「宇野っていうのは親に資産があるんじゃないか。だからプラネットみたいな雑誌をやれているのかもしれん」と言っていましたが、宇野さんは「ひどいなあ。僕は全部ゼロからはじめて、いまに至っているんですよ」と言っていました。

 

彼ら、僕よりも若い世代は、「幼児化」の対義語であろう「大人になる」ということや「自立」ってことに対して、どう考えているのか。

 

僕なんかの世代は「大人になる」ということや「自立」って、結局あんまり切実性のない、観念や道徳論、生き方論みたいなものでしかなかったっていうのが、最近思い知らされた気がするんですよね。

 

でも彼らは、もっとしなやかに大人になる術を持っているのかもしれません。現実感そのものも違うのかもしれない。そこら辺、聞いてみたいなと思います。

 

単純に「大人っぽい大人がいなくなった。だから日本はダメなんだ」という論調には行かないと思うし、だからこそゲストとして必要な視点の持ち主でしょう。

彼らの本が読まれているというのも、そこらへんがみんなわからなくなっているからじゃないかなと思うんです。

 

小林さんが、この二人をゲストに招んだというのは、そういう仕掛けがあるのではないかと僕は踏んでいます。

「幼児化した大人」について問いかける時、返す刀で「大人って何?」という逆問いかけがある可能性。そんなスリリングな道場になるといいなと思います。

第44回/『幼児化する大人たち』

 

平成26年10月12日(日)午後1時 から
『人事労務会館』 にて開催します。

「人事労務会館」
(住所:東京都品川区大崎2-4-3 )は、
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線
『大崎駅』 の 北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。

毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。

人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

10月12日の「ゴー宣道場」のテーマは
『幼児化する大人たち』


宇野常寛氏、古市憲寿氏をゲストに迎えて議論する。



最近の大人は幼児化しているのではないか?

赤ちゃんみたいに泣きじゃくる号泣議員なんてわしは

生まれて初めて見たし、女子中学生とLINEやって、

仲間外れにされてキレて恫喝する議員というのも

幼稚すぎるのではないか?


どーもおかしい。


最近は幼児化した大人ばかりのような気がする。

AKBに嵌ってる小林よしのりや宇野常寛も
幼児化してるのか?

そこで「ゴー宣道場」では、若手論客の

宇野常寛氏、古市憲寿氏を迎えて、意見を聞いて

みようと思う。

さらに「ゴー宣道場webサイト」では、

「最近こんな幼児化した大人を見た!」という
目撃談を
大募集する。


政治家・言論人・有名人、そして身の周りにいる

幼児化した大人たちの目撃談を
下の画像のリンク先アンケートページ」から

報告してほしい絵文字:鉛筆

 「幼児化する大人たち」目撃談募集中!

当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。


参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

お申し込み後、記入されたメールアドレス宛に「申し込み確認メール」が届きますので、
ご記入内容に間違いがないか、よくご確認下さい。

※「申し込み確認メール」が届かない方は、以下のような原因が考えられます。

・迷惑メール対策サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている
・着信拒否サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが着信拒否の対象となっている
・ドメイン指定受信を利用していて、「gosen-dojo.com」のドメインが指定されていない
・セキュリティソフトやメールソフトで迷惑メール対策をしていて、 「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている

reply@gosen-dojo.com」からのメールを受信できるよう再設定をお願い致します。

「申し込み確認メール」が届かない場合、当選メールも届かない可能性がありますので、
ご注意ください絵文字:重要


申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。

当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。

 道場参加申し込みフォーム

応募〆切 は 平成26年10/1(水) です。

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ


切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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